びっくりした。「圧倒」という言葉しか浮かんでこない。

あるものがあって、それはそのもの自体に過ぎないんだけど、その背後に、いや、それを取り巻く四方八方に世界を、宇宙を孕んでいる。平面が立体化される瞬間を目の当たりにした。
鈴木理策『熊野、雪、桜』
びっくりした。一つの写真は、これほどまでに沢山のイメージや時間や匂いや記憶を呼び起こすものなのかと。
物事を考えるとき、何かと比較してそのスケールを図りがちだ。「一方があるから他方がある。」
そのスケールって比較するモノ自体の大きさではなくて、結局自分の世界観を表すに過ぎないんだな。

具象で抽象を表す事、抽象で具象を表す事。そんな事を考えている。

季節外れの桜が目の奥に咲いている。