湯船に浸かってゆっくり眠ろう。一日は一日。

通り過ぎる人の言葉に耳を傾け、名も無き景色に振り返り、さよならを言わずに別れを告げる。
「さよなら」は「ありがとう」と同じ。同じ分だけ言えず仕舞。

言ったそばから、その大きさの、その儚さの、その遥か彼方の、そのものが、失われていくそんな気がする。

言葉には重さがある。質量。与えられて、奪われて、思い出して、失われて、あっちふらふらこっちぽろぽろ。

それでも確かにはっきりと口に出すのだ。「さよなら」と「ありがとう」
言葉に出来ない、そんな思い、言葉にするのだ。言葉に。

誰の為でもなく、自分の為の「言葉」